バンドワゴン効果の影で見え隠れする自民党の驕り


 いわゆる「バンドワゴン効果」とは、選挙などで優勢を伝えられる候補が雪だるま式に支持を広げる現象を指しています。  

 要するに「勝ち馬に乗れ」という力学が働くからですが、バンドワゴンとはパレードの先頭を行く楽隊車のことです。  

 バンドワゴン効果の呼称の由来は、かつて米国南部の選挙運動で地元名士を何人も乗せたバンドワゴンをにぎやかに繰り出したことだといいます。  

 安倍首相の後継を選ぶ自民党総裁選でも、このバンドワゴン効果が露骨に表れています。  

 まだ総裁選挙も始まっていないのに、いち早く繰り出したワゴンに次々と乗車希望者が殺到しているのです。  

 菅義偉官房長官への有力派閥の相次ぐ支持表明は、まさに「勝ち馬に乗れ」とばかりの動きです。  岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長も、出馬表明しています。しかし、両氏にさきがけて菅氏が繰り出した〝バンドワゴン〟にはすでに有力派閥が顔をそろえています。  

 何ともシラケる話で、多くの国民や自民党員にしてもすでに後継総裁の座を固めた菅官房長官の国政への見識や統治の方策をまだ聞いていません。  

 しかし、早々とバンドワゴンに乗り込んだ派閥議員には、そんなことは端から関心外のようです。  もしや長期政権の驕りまで積み込んだバンドワゴンを引き回すつもりなら、思わぬ店頭を恐れるべきでしょう。  

 国民は、バカではありません。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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