真っ直ぐな道で迷った者はいない


 ドイツの文豪ゲーテが残し、今でも語り継がれている言葉があります。 

「真っ直ぐな道で迷った者はいない」  

 人は固い信念があるとき、険しい道であっても真っ直ぐに進んでいくことができるという意味です。  

 テニスの大坂なおみ選手は一旦、警官による黒人男性の銃撃事件に対する抗議で勝ち進んでいた大会を棄権すると表明しています。  

 プロのアスリートにとって試合を諦めるという決断は、どんな大会であっても痛みをともなうはずです。  

 スポーツ界からの政治的な行動と受け取られて批判を招く恐れもありましたが、真っ直ぐ進んだ決断だったようです。  

 それを感じさせる強い思いがこもったメッセージを、自身のツイッターに投稿しています。

 「自分は選手である前に黒人女性であり、自分のテニスを見ることより重要なことがある、白人が多数を占める競技の中で会話が始まる」  

 強い使命感を思わせる言葉でした。  

 さらに、嘆きと憤りの荒い息遣いを感じさせる言葉も書き込んでいました。

「いつになれば、もう十分になるの」  

 人種差別の問題は、状況が悪化しています。  

 今回の事件が起きたウィスコンシン州では、抗議デモに対して銃で武装した自警団が現れたと報じられて緊張が高まっています。  

 抗議の行動は大リーグなど他のプロスポーツでも拡大していて、大坂選手のように真っ直ぐな道を見ているアスリートは増えているようです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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