太陽に特許はない


 1955年4月、有史以来、人類を苦しめ続けてきた感染症のポリオ(小児まひ)に有効なワクチンが承認されています。  

 開発者は、米国の医学者ジョナス・ソーク博士です。  

 ジョナス博士は、ワクチンの特許を取得していません。インタビューで「「特許は誰が持つことになるんですか」と聞かれ、こう答えています。 

「それはみなさんのものだ。だって太陽に特許はないでしょう」  

 ジョナス博士に続き、ウイルス学者で経口タイプの生ワクチンを開発したサウスカロライナ大学医学部のアルバート・セービン教授も特許を取得していません。  

 特許を得ると莫大な使用料が見込まれましたが、2人ともお金よりワクチンが世界中に広がることを望んだのです。  

 世界保健機関は先日、アフリカ大陸のポリオが根絶したと宣言しています。1960年代、5000人以上が感染した日本を含め、ポリオとの闘いとワクチン開発者の心意気を改めて思います。 

 ジョナス博士の「太陽に特許はない」という言葉には、心を打たれます。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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