安倍政権が遺したITやAIに遅れた無残な日本の姿


 1960年代から18年間もソ連の指導者だったブレジネフ書記長は、勲章を胸に並べるのが好きだったといいます。  

 ブレジネフ書記長は脳梗塞や心臓発作を何度も繰り返し、手当てを受けています。  

 その手術の際に、医師にこう聞きます。

 「また心臓か?」  

 医師は、こう答えます。 

 「いえ、もう一つ勲章をつけられるように胸を広げるのです」  

 これは、ロシアに伝わる笑話です。  

 ロシアのエリツィン大統領は、こう回想しています。  

「晩年のブレジネフ書記長は自分が何をしているのか、ほとんど分かっていなかった」  

 そうした病状でも長期政権を保てたのは、何もしないのが一党支配下で政権を支えてくれる取り巻きの〝既得権益〟の確保、維持に合致していたからです。  

 安倍首相が病気を理由に辞意を表明しましたが、まずはご苦労さまでした。  

 ただ、8年近くにおよんだ長期政権で日本の国際競争力を育てられなかったのは事実です。  

 田中角栄や中曽根康弘のような構想力や、それを実現しようとする意欲に欠けていました。  

 結果、今の日本に残されたのはIT(情報技術)やAI(人工知能)の基盤整備が国際的に遅れてしまった〝無残な姿〟です。      

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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