責任を取ったことがない安倍首相


 安倍首相は今、健康面で不安視されています。

 4か月ほど前の4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言を発出しました。その夜、記者会見でこう述べています。

 「今、私たちが最も恐れるべきは恐怖それ自体です」  

 SNSで拡散されるフェイク情報によるパニックなどの被害が、感染自体の被害よりも甚大になり得るとして警鐘を鳴らしたのです。  

 この言葉は1933年、ルーズベルト米大統領が1期目の就任演説で語った表現でもあります。当時、1929年に始まった大恐慌の真っただ中でした。  

 ルーズベルト大統領は、演説冒頭でこう米国民を鼓舞しています。 

「我々が恐怖すべきはただ一つ、恐怖そのものだ」  

 大統領が亡くなったのは、75年前の1945年4月12日のことです。  

 日本では当時、鈴木貫太郎首相が就任したばかりでした。太平洋戦争末期で日本にとって厳しい戦局だったにもかかわらず、鈴木首相は大統領の功績を讃えて深い哀悼の意を表明しています。  

 その鈴木首相の姿勢は、欧米には敵ながら紳士的で礼儀正しい態度だと受け止められました。  

 鈴木首相は大戦末期の厳しい局面で、軍部の本土決戦論を排してポツダム宣言受け入れています。そして1945年8月15日、鈴木内閣は総辞職しました。  

 一方、安倍首相は記者会見でこう述べました。 

「最悪の事態になった場合、私たちが責任を取ればいいというものではない」  

 これまで色々な局面で「政治責任は私にある」と繰り返しながら、決して責任を取ってこなかった安倍首相です。

 はたして、大した責任も取ってこなかった安倍首相はコロナ禍対策ではどんな責任を取るつもりなのでしょう。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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