〝戦後最長の景気拡大〟は反実仮想だった


 平安時代の歌人である小野小町の恋歌に、次のようなものがあります。 

「思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを」  

 つかの間の夢は、いつか覚めます。  

「反実仮想」とは、事実と反対のことを思うことです。  

 小野小町は、「もし夢と知っていたなら、目覚めなかったのに」と切なさや無念といった余韻を残して「反実仮想」を表現したのです。  

 ところで、政府は景気拡大が2018年10月に終わっていたと認定しています。昨年1月に表明していた〝戦後最長の景気拡大〟の見方は、事実とは違う幻だったということになります。  

 すると、消費税増税は景気後退局面に実施したことになります。つまり、〝戦後最長の景気拡大〟という前提そのものが「反実」だったということです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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