ムーミンの望みはジャガイモと夢を植えること


 コロナ禍で今、海外旅行の敷居が高くなっています。その感染収束が見通せないなか、旅行会社はいろいろと知恵を絞っています。   

 北欧専門の旅行会社「フィンツアー」は、フィンランドの「バーチャルツアー」のライブ動画を有料で配信しています。  

 ムーミンの作者のトーベ・ヤンソンは、幼い頃から毎年、フィンランド南部の古都ポルボー沖に浮かぶペッリンゲ諸島で夏を過ごしたといいます。  

 森と海に囲まれたペッリンゲ諸島には、ゆったりとした時間が流れています。宿泊先のトイレには、最初の「ムーミン」の落書きが残っています。  

 初期の「ムーミン」作品には、戦争体験が色濃く反映されています。ムーミン谷の彗星で、登場人物は得体の知れない異変や恐怖と向き合います。  

 その地球を滅ぼす彗星に、原爆の投影を読み取る読者もいるでしょう。作者のトーベさんは、戦争を憎んでいたといいます。  

 今年は、「ムーミン」作品が生まれて75年目の夏でもあります。ムーミンの願いは、こんな生活を送ることです。 

「僕はただ平和に暮らして、ジャガイモと夢を植えたいだけなんだ」  

 そういう日は、いつやってくるのでしょう。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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