自民党内で〝超ド級〟の安保政策が模索され始めた


 派手な洋画やテレビドラマなどの予告編で、かつて〝超ド級の大作〟といったフレーズがよく使われていました。  

 その由来は、1906年に就航した英国海軍の軍艦ドレッドノートだったとされています。  

 ドレッドノートは、「勇敢な」という意味です。軍艦ドレッドノートは当時、戦闘能力や速さ、大きさなど従来の軍艦より遥かに勝っていたといいます。  

 同クラスの軍艦は略して「ド級」と呼ばれ、類似の軍艦が相次いで建造されています。それを上回る仕様が〝超ド級〟で、転じて前例のないケタ外れのものという意味になったようです。  

 先日、河野防衛相から突然に配備停止が表明された迎撃ミサイルシステムの「イージス・アショア」は、威力や命中精度、飛距離などを考え合わせると文字通り現代の「ド級」の防衛装備の一翼を担ったかもしれません。  

 自民党内では、代替策が模索されるなか「ド級」を超える案の検討も始まりそうな気配です。  

 その内容は、日本に向けて発射されたミサイルを上空で打ち落とすという当初の計画よりも進み、相手が手を出すより前に拠点をたたくという敵基地攻撃能力の保有です。  

 戦後75年が経って、東アジアの緊迫の度は日々高まっています。憲法や専守防衛の理念との整合や技術的な可能性などハードルは多そうですが、超ド級の安保政策の模索が続いています。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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