コロナ禍は英国文明さえ変えてしまいそうな勢い


 英国では今、コロナ禍の感染抑止策の緩和が進んでいます。それにともなって、陽光に誘われ外出する人が増えるなかで〝トイレ〟が問題になっているといいます。  

 外出の増加で、トイレのニーズが高まっています。しかし、公衆トイレの閉鎖や公共施設などの休業により使えるトイレが少ないのが実情です。  

 そのため草むらで用を足す人が続出し、エリザベス女王の居城も被害に遭っているといいうのです。  

 6月末、英北部スコットランドにあるバルモラル城のスタッフが、ツイッターにこう憤りをつづっています。 

「拭いた紙がたくさん捨てられていて失望した。近くにトイレがないことを覚えておいて」  

 このスタッフは、こう指示も付け加えています。 

「小便をする必要がある時は湖や小川から少なくとも30メートルは離れて」 

「大便は建物や水路から極力離れ、排泄)物は浅く掘って埋めて」  

 バルモラル城はエリザベス女王が毎年、夏の休暇を過ごす場所です。森林に囲まれ、一帯は観光客にも人気となっています。  

 コロナ禍による「ロックダウン(都市封鎖)」の緩和が進み、各地の公園や行楽地は短い夏の日差しを楽しもうとする人でごった返しています。  

 一方で、衛生上の懸念から公衆トイレの閉鎖が続いたり、トイレが使えるカフェやパブ、博物館などの施設は休業したままだったりすることが少なくありません。  

 ヒッピーな若者が集うロンドン東部の公園ロンドン・フィールズでは、マナーの悪さに困った地元自治体がこんな横断幕を設置しています。 

「ここは公園で、トイレではありません。したいなら家に帰って」  

 コロナ禍は、英国文明さえ変えてしまいそうな勢いなのです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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