〝線状降水帯〟は憎っくきカッパ


 九州には、カッパの伝説が少なくありません。なかでも熊本県は、中国黄河からカッパ一族が渡来した地と言い伝えられています。 

 確かに、八代市にはカッパの碑まであります。球磨川に住み着いたカッパ一族は数を増やし、九千坊と呼ばれる頭領に率いられていう伝承まであります。  

 そんなカッパの悪戯で、領民は大いに困りました。そこで領主の加藤清正は、九州全土のサルに命じてカッパを攻めさせたといいます。カッパは降参し、この地を立ち去ったという話が伝えられています。  

 加藤清正は、優れた土木技術で球磨川など河川の治水に大きな功績を残したことで知られています。  

 水神の化身といわれるカッパと清正の説話には、水に苦しめられた領民の清正への感謝の念が込められているのでしょう。  

 7月5日、海から熊本県と鹿児島県へ「線状降水帯」と呼ばれる梅雨前線豪雨の帯が延び、両県を襲っています。  

 球磨川は広範囲に渡って氾濫し、各地で住民たちが孤立しています。土砂災害も相次ぎ、死者や行方不明者が出たことも報じられています。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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