香港の行政区旗が真っ赤に染まる日


 中国が香港をめぐって約束していた「一国二制度」を有名無実化してしまう「国家安全維持法」が先日、異例のスピード審議によって成立しました。  

 香港の自治や言論の自由を返還後50年に渡って保障したはずの「一国二制度」でしたが、この法律の成立によって政府転覆や外国との結託などを犯罪とみなす同法では中央政府が香港で直接法を執行できるようになったのです。  

 香港は現在、中華人民共和国香港特別行政区で、行政区旗に描かれている5弁の花はバウヒニアです。バウヒニアは中国名で紫荊花(しけいか)といい、香港蘭とも呼ばれています。  

 紫荊花には仲違いした3兄弟を諫めて一夜のうちに枯れ、それを見て反省した兄弟を再び団結させたという故事があります。  

 この行政区旗は23年前の返還で制定され、正式名は「紫荊花紅旗」といいます。旗に描かれている地の色の赤は中国、5弁の花びらの白は香港を意味し、紅白の対比は「一国二制度」を表しているといいます。   

 その白い花弁も、やがて赤い色に染められていく運命を予感させます。国際金融センターとしての香港も、市場に通じた市民の自由なしには存続が難しいでしょう。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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