コロナ禍の銘酒は〝村醒め〟
上方落語「煮売屋」は、お伊勢参りの道中の喜六と清八が村の飯屋に立ち寄り、店主にいろいろ絡む話です。
村には銘酒があり、銘柄は「村醒め」「庭醒め」「直醒め」といいます。
店主の説明では、「村醒め」は村を出るころ酔いが醒める酒、「庭醒め」は庭に出ると醒める酒ということです。
2人が店主に「直醒めは?」と聞くと、店主は「飲んでるそばから覚める酒」と説明します。
「酒にぎょうさん水混ぜるんやろ?」
「いえ、水ん中に酒混ぜます」
銘酒と称した「直醒め」は、もっともらしいブランドをつけた水増し酒だったのです。
なお「村醒め」という言葉は、後に水っぽい酒と上等の酒という相反する意味をもった〝隠語〟として世間に広まっています。
コロナ禍の今、酒飲みは何かと肩身の狭い思いをしています。
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