コロナ禍はささやかな営みまで邪魔をする
鯉のぼりの由来は、中国の「三秦記」とされています。黄河の龍門の滝を上った鯉は竜に変じ、そこから「登竜門」という言葉も生まれています。ただ、龍門を上るのは鯉だけではありません。
今年、日本ではコロナ禍の渦中で「こどもの日」を迎えました。例年、各家庭で飾られる鯉のぼりも今年はひっそりと飾られているようです。ただ、子どもたちの成長を念ずる心はみな同じでしょう。
日本には、鯉のぼりの変形がいろいろあります。列島の北から南まで、カツオやマグロ、クジラ、ウシなどもご当地自慢の吹き流しにして飾る地域は少なくありません。鹿児島県の枕崎市では、今年も「かつおのぼり」が市役所の玄関で泳いでいます。
ただ、「牛のぼり」で知られる北海道稚内市の曙地区も泣く泣く行事を取り止めたといいます。コロナ禍は、最北の酪農地帯に容赦がありません。
今年ほど子どもたちを励まさなくてはならない年なのに、敵はささやかな営みまで邪魔しているのです。
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