3密でも適度な対話は必要

 

  デジタル時代の激しい競争に勝つために、多くの企業が人事制度の見直しに知恵を絞っています。なかでも、上司と部下の面談を充実させたいという声が多いといいます。  

 各社の人事部は、上司と部下の頻繁な面談を社内に呼びかけています。狙いは上司が部下との意思疎通を深め、目標達成に導くことにあります。部下の疑問や不安の解消が、やる気を引き出す第一歩といいます。  

 コロナ禍対策の「人との接触8割減」という目標も、到達には政府と国民の意思疎通がカギになります。安倍首相が国民一人ひとりと面談するわけにはいきませんが、なぜ8割減が必要なのか胸にストンと落ちる説明がほしいものです。  

 緊急事態宣言が延長されることになり、外出自粛は正念場です。それを達成するには、目標数字への納得感が大事になります。  

 バブル崩壊後、日本企業には成果主義とともに目標管理制度が広まりました。多くはノルマの達成状況の把握や賃下げの道具になり、社員の士気は大きく下がりました。昨今のコミュニケーション重視には、その反省もあるのでしょう。  

 8割減の取り組みも、政府からの一方通行になっては効果が上がりにくいはずです。「3密」は厳禁ですが、適度な対話は密に願いたいものです。 

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000