あぶく銭を浪費する心の会計


 米国の経済学者で、シカゴ大学のリチャード・セイラー教授は行動経済学が専門です。 行動科学の理論家として国際的な研究業績があり、2017年にはノーベル経済学賞を受賞しています。  

 人は様々な収入を無意識のうちに〝仕分け〟し、心の帳簿によって無意識のうちに支出行動を決めているといいます。リチャード教授は、それを「メンタル・アカウンティング(心の会計)」と呼び、何かと説明がつかない不合理な人の行動を研究しています。  

 人は、汗水たらして得た収入は大切に使おうとします。その一方で、賭けマージャンや競馬などで得た収入は〝棚ぼた〟の収入ととらえて散財しがちです。  

 ところで、安倍首相が率いる政権与党の自民党の収入の約3分の2は政党交付金です。血税を原資とする政党交付金は、政党への公的助成です。政治家の不正なカネ集めを抑制する目的で、制度化されました。  

 それが公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された河井克行前法相と、妻の案里参院議員の買収の原資になったとしたらアホらしいかぎりです。  

 きっと河井夫妻は〝あぶく銭〟と考えて、棚ぼたの〝買収資金〟として使ったのでしょう。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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