メスのニワトリが歌うと家が滅ぶ


 北朝鮮は6月16日午後、2018年に開かれた南北首脳会談後に建てられた南北交流の象徴となっていた南北共同連絡事務所を爆破しました。   

 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、この爆破シーンを見た平安北道新義州市の幹部の話としてこう伝えています。 

「まともな建物を破壊したが、何の自慢にもならない。北南朝鮮の和解の象徴だった連絡事務所を爆破したことは、政治的、経済的利益も得られず国際社会の敵対感を大きくするだけのことだ。開設されてから2年も経っていないのに、頭にきたからと爆破してしまえば国際社会が我が国をどのように見るだろうか。これは、青二才の指導者の早まった行動に過ぎない。  

 昔から『雌鶏歌えば家滅ぶ』という諺があるが、最近青二才があれこれ出しゃばって大騒ぎしていると思ったらついにやらかしてしまった」

 わざわざ「女性が出しゃばると、うまく行かない」という前時代的なことわざを使って、青二才を糾弾しています。

  女性とは北朝鮮の金正恩委員長の妹で、朝鮮労働党の金与正第1副部長のことです。  

 最近の北朝鮮では、幹部が「国が貧しいのは世襲制のせいだ」として米韓を敵視し、核とミサイル開発で国庫を使い果たして国民を犠牲にしているという体制批判に触れる幹部も増えてきているといいます。  

 実際、国際的な経済制裁に加えてコロナ対策による苦境で生活苦に追い込まれた国民の怒りが、当局に向かっているという声も聞こえてきます。  

 北朝鮮の〝体制崩壊〟が、日本に及ぼす影響が心配されます。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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