親切心が悲劇を呼ぶ


 ロシアの作家クルイロフは、「隠者と熊」という寓話を書いています。その内容は、こうです。

 ある夏の日、仲のいい年老いた隠者と熊は一緒に散歩に出かけました。老人は、先に疲れて木陰で眠ってしまいます。熊は見張り役となり、老人の顔に集るハエを追い払ってあげます。  

 しかし、ハエはしつこく老人の鼻や額に寄ってきます。そこで、熊は大きな石を掴むと、隠者の額に止まったハエに向かって投げつけます。  

 結果、老人は2度と起きてきませんでした。熊はうろたえますが、後の祭りでした。  

 この寓話が教えているのは、人のためと信じたことでもかえって害になる危険があるということです。  

 たとえ親切心でも、それが思わぬ結果をもたらすこともあるのです。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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