コロナ禍対策で戦争用語は不要か?


 感染症対策は公衆衛生の問題で、戦争ではありません。しかし、安倍首相はその対策について「持久戦」という言葉を使っています。さらに、「これは第3次世界大戦である」とも発言したと漏れ伝わっています。  

 新型コロナウイルス対策を検討する政府の専門家会議の尾身茂副座長は、外出自粛などの対策継続を訴えていた会見でこう発言しています。 

「今まで『長期戦』という言葉を使ってきが、いろいろな意見を聞くと別の言葉がいいのではないか」  

 代わりに「長丁場の対応」という表現に言い換え、「戦争」を想起させる言葉を慎重に排除しています。  

 同会議メンバーで研究倫理を専門とする武藤香織東大教授は、日本記者クラブの会見でがこう訴えています。

 「感染症対策で『戦争』という言葉を使いがちですが、戦争で犠牲になるのは大将ではなく弱い人たちです。その人たちの犠牲の上に勝つというような発想は、とても承服しかねる表現です」  

 科学知識を提供する専門家は、むろん政権からの独立性が求められます。コロナ問題では、政権とどう距離を取っていくかという長丁場のせめぎ合いでもあります。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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