「5月危機」が心配されている


 今心配されているのは、コロナ禍で派遣社員が大量に雇い止めされる「5月危機」が迫っていることです。実際、6月末で契約が満了する人が多く、その1か月前の5月末に契約更新のタイミングが集中するためです。  

 すでに〝雇い止め〟された人も出ていて、いわゆる〝派遣切り〟の横行が心配されています。今後、派遣切りはさらに深刻化するでしょう。  

 総務省の3月の労働力調査によると、144万人いる派遣社員の7割強は雇用期間が限られています。最も多いのは、雇用期間が「1か月以上~3か月以下」です。  

 雇う側の企業では派遣社員の契約を4月から始め、4半期決算に合わせて3か月ごとに更新するのが主流となっています。  

 更新を重ねてきた派遣社員を雇い止めする場合、派遣会社は30日前までに本人に通告しなければなりません。その企業の経営はコロナ禍で全体的に悪化しており、5月末のタイミングで〝派遣切り〟の通告が一気に増えると心配されているのです。  

 厚生労働省はリーマン・ショック後の2008年11月、非正社員の雇用状況を調査しています。その結果、09年3月までに派遣社員約2万人を含む訳万人が解雇、雇い止めになる見込みだと判明しています。  

 しかも、約1か月後の調査では、その見込みが派遣約5万7000千人、全体で約8万5000人にまで膨らんでいるのです。  

 リーマン・ショックは製造業の派遣社員への影響が大きかったのですが、今回は様々な業種への広がりが予想されていす。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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