アベノミクスは終わった


 安倍政権は4月の月例経済報告で、コロナ禍の拡大で暮らしや経済活動への影響が深刻になるなか景気の「急速な悪化」を認めました。コロナショック前の強気の姿勢は消え、危機対応に舵を切っています。  

 ただ、巨額の経済対策で政策を〝総動員〟していますが、景気がいつ底を打つかは感染の収束次第です。だから、当面は「視界ゼロ」での経済運営が続きそうです。  

 実際、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの試算では4~6月期の実質成長率は年率換算で11・3%減と、大きなマイナスが見込まれています。  

 4月の月例経済報告には、かつて経済危機のときに使われた「急速に悪化」「極めて厳しい」など深刻な表現が並んでいます。西村康稔経済再生相は記者会見で、こう強調しています。 

「原因は新型コロナウイルス感染症、この一言に尽きる」  

 月例経済報告は、政府の経済の舵取りの土台となるものです。  

 安倍政権の金看板であるアベノミクスの評価にもかかわり、昨年春以降、景気後退の可能性を示す指標が出ても、安倍政権は「景気は緩やかに回復している」との認識を2月まで維持してきました。しかし、その目論見はコロナ禍を前にして崩壊しています。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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