行政には不要不急なものが多すぎる


 緊急事態宣言が出された後、行政による給付金や助成金の手続きの面倒さを実感した人は少なくないでしょう。とくに行政は、まさに書式の魔力にとらわれているといった感じです。  

 行政に限らず文書の定型的な書き方を規範とすると、あらゆる場面で柔軟さが失われます。典型的なケースは、報告や手続きを上からの管理の道具に使うことでしょう。  

 たとえば会社の上司が、仕事には必要のない情報も集めて本社に知らせるようになることもその最たるものです。そのことで現場の社員が報告書の作成に時間をとられ、本来の仕事が疎かになります。そうした無益な作業が、いずれ組織全体を蝕んでいきます。  

 行政による緊急経済対策に盛られた給付金や助成金も、厳正な管理をめざすあまり手続きが煩雑になっています。それを申請する経営者は、そうした時間があるなら経営維持や立て直しのために使いたいと思っているはずです。  

 今求められているのは、不要不急なものが何なのかを峻別し、時間を有効に使うことでしょう。  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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