優しさという光で闇を照らす


 英BBC放送によると、新型コロナウイルスに感染していた英国の88歳の男性が亡くなり、残された家族は男性の葬儀をどうするか話し合ったといいます。

 男性が新型コロナウイルスに感染したのは、イタリア旅行から帰った人とレストランで接触したのが原因でした。  

 家族は結論を出し、男性と生前、親しかった人々にこう伝えています。 

「故人への献花もお悔やみのカードも忘れて」  

 代わりに男性を悼むため、別のことを頼みました。 

「誰かに優しくして」  

 感染拡大によって、困っている人が大勢います。買い出しや子どもの世話など、誰でもいいから困っている人を助けてあげてと頼んだのです。それが、男性を追悼することになるという思いからです。  

 新型コロナウイルスがもたらす深い闇のなかで、人間関係もどこかギスギスしてきています。それでも、優しさという松明の光で闇を微かでも照らす人がいるのです。   

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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