女偏の漢字は女性蔑視の観念を刷り込むものとの声
嫉妬や奸計、妨害など〝意味が穏やかではない言葉〟に共通しているのは、「女偏」の漢字だということです。
このことを指して、「女性蔑視の観念を刷り込むものだ」と指摘する声もあります。
英語圏では、社会の変化に応じてこうした言葉が言い換えられてきた歴史があります。
たとえば「議長」を表す「チェアマン」は、今では「チェアパーソン」と言うのが常識です。米国の自治体のなかには、条例に従って「マンホール」を「メンテナンスホール」と言い換えたところもあります。
この点、日本では女偏に家と書く「嫁」を見ても言い換えられることもなくそのままで、これ一つ見ても〝時代錯誤〟の感じが漂います。
旧民法下では、結婚した女性は夫の家の戸籍に入り、家長に庇護される代わりに親権や相続権を制限されています。この家制度は、1947年の民法改正まで続きました。
昨年12月22日は、その改正民法が公布された日でした。
その後、72年も経っているというのに、女性を古い価値観に縛りつけようとする風潮は強く残ったままです。夫婦別姓を認めない民法の規定は、その象徴でしょう。
日本は先進国で唯一、夫婦同姓を〝強制〟する国です。実際、結婚するとき改姓するのは9割が女性です。
政権与党の自民党は度重なる国連の勧告や訴訟があるにもかかわらず、「夫婦別姓は家族の一体感が失われる」という姿勢を崩しません。これが、〝女性活躍〟を掲げている政権与党の〝時代遅れ〟の姿です。
安倍晋三首相は、参院選の党首討論会で選択的夫婦別姓に賛成するかを問われて唯一挙手していません。
「印象操作だ」
表情も、不満げでした。
「姓」という漢字も、よく見ると女偏です。
これは、かつて血筋が女性の系統で考えられていたことが起源だといいます。政権与党も伝統にこだわるなら、そこまで遡って考えてみることも欠かせないでしょう。
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