オリンピックは選手全員が裸身で参加せよ


  古代ギリシャのオリンピックでは、もともと選手が裸身で競技に参加していたといいます。それが始まった当初、参加選手はみんな腰巻きをつけていました。しかし、紀元前8世紀の出来事を〝きっかけ〟にそれが取り去られたのです。  

 最初に裸になったのは、短距離の走者でした。そして彼は、速く走るのに邪魔になる腰巻きを取り払って優勝したのです。その〝結果〟を参加選手は目の当たりにしましたので、続いて行われた長距離走では選手みんなが裸身で走ったといいます。  

 誰にとっても公平な裸身での競技ですが、歴史家は当時のギリシャ人にも裸を恥とする感覚はあったといいます。しかし、裸身が競技に有利だとわかると他の選手も直ぐにならい、それが〝新たな標準〟となったのです。  

 昨年の箱根駅伝は、速く走れると評判のナイキの厚底シューズの普及によって記録ラッシュでした。それに驚いていたら、今度はその使用を世界陸連が規制するという英メディアの報道が飛び込んできました。  

 このシューズを履いたマラソン選手は靴底の炭素繊維の板の反発力により、非公認ながら2時間を切る記録を出しています。なかには、これは〝ドーピングシューズ〟と非難する声もあります。  

 しかし、人の力を効率よく使うハイテクがどこから禁じられるべきかの判断は難しいでしょう。公平という観点からは古代ギリシャ人の行きついた〝究極の策〟を取り入れるしかないですが、それもアホらしい〝愚策〟です。    

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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