巣ごもりの春の過ごし方

「春愁」とは、春の心の愁いを意味します。英語にも「スプリングフィーバー」という言葉があり、辞書には、意味として「春先の物憂い感じ、春の憂鬱病」と書かれています。

 直訳すると「春熱」で、春の高揚感とは逆の意味で使うこともあるといいます。中国語には「春困」という言葉があり、春の気だるさ、眠たさをさしています。 

「春愁」「春熱」「春困」は、芽吹く木々や萌え出る草が陽光に輝く春なのに、生命が一気に吹き出る季節の明るさとそれに波長を合わせられない人の心身との落差から生まれた言葉なのでしょう。   コロナ過に見舞われている今なら、もしや心身の微妙な変調は感染の兆しかと心配する向きもあるでしょう。今年の春は、そのギャップが人の心身をいつもの春の何倍も苛むことになりはしないかと心配されます。  

 新型コロナウイルスの感染拡大に対する政府の緊急事態宣言と各都府県の措置で、今後約1か月は求められることになる外出自粛要請下の暮らしです。  

 春爛漫をよそに家に止まり、友や知人との面談もままならないストレスの「愁」「熱」「困」が小さいはずはないでしょう。感染リスクの不安も大きく、「コロナ鬱」などの言葉も飛び交っています。  

 巣ごもりの春を強いられる今、太陽を浴びての散歩などの運動と十分な睡眠、規則正しい生活のリズムという生命力を蘇らせる季節のサイクルを何とか心身に取り込みたいものです。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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