今は食べるのを我慢して2つ目のマシュマロを手に入れる
心理学の実験で、未就学の児童を対象にした「マシュマロテスト」というものがあります。 実験では皿にマシュマロ1個を置き、子どもにこう言い残して部屋を立ち去ります。
私は、これから出かけます。マシュマロを食べてもいいですが、食べるのを15分間だけ我慢できた人にはもう1つマシュマロをあげます。私がいない間に食べると、もちろん2つ目はありません」 子どもにとっては〝過酷〟な実験で、がまんできた子どもは平均して3分の1ほどだといいます。 日ごろ、誰の目の前にも〝マシュマロ〟が置かれています。その〝マシュマロ〟とは気兼ねなく外出し、酒場で友と飲み交わし、映画館で映画を堪能したりすることを指しています。
コロナ禍に見舞われる前まで、これは当たり前のように行われていた「日常」でした。しかし、緊急事態宣言が出された後、感染拡大を防ぐため、しばらくそれを我慢しなさいと言われました。
ただ、マシュマロテストに臨む子どもとは状況が違っています。それは、たった一人で部屋に残っているわけではないということです。 もともと「引きこもり」でないかぎり、おたがい「辛抱しようよ」「いいことが待っているよ」などと励まし合える仲間がいるでしょう。
コロナ禍にある今、ローマ教皇は世界中の人に向けて「ソリダリティー(連帯)の精神」を呼びかけました。この連帯で、どうしても手に入れなければならないのは2つ目のマシュマロでしょう。
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