トランプ大統領も新型コロナウイルス問題で認識を変えている

  落語「黄金餅」の内容は、重い病を患った男がカネを惜しんで医者にもかかりません。薬も飲まないので、病がどんどん悪くなっていきます。  

 それを見かねた隣人が、「カネを惜しむな。カネはいつでも稼げるから早く医者に診てもらいなさい」と説得します。しかし、隣人の言葉を聞こうとしない男はあっけなく死んでしまいます。  

 この話、新型コロナウイルスの感染拡大という猛威にどう対応すべきかを考える上で頭をよぎります。日本医師会は、緊急事態宣言によって感染拡大を防げという声を上げます。経済活動に影響が出ようが、まずは感染拡大を食い止めて医療崩壊を防ごうという考え方です。  

 この落語を踏まえて言うと、日本医師会は「カネを惜しむな」と政府を説得する隣人といったところでしょう。重い病を患った男が政府で、今もって経済活動が停止状態になりかねないと心配しています。  

 ただ、感染拡大の話は落語のように単純ではありません。ただ、そろそろ損は損で諦めて命を最優先に考えるべき時期がきているのかもしれません。  

 人生、命あっての物種です。達者になると、また稼げます。政府が今やることは、経済の停滞によって困っている中小企業や家計に手を差し伸べることです。経済ファーストだったトランプ大統領も、最近は考えを改めています。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000