不自然な外来語を使いたがるエセインテリ

 新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、「爆発的患者急増」が「オーバーシュート」、「都市封鎖」が「ロックダウン」、「感染者の集団」が「クラスター」などと表現されています。しかし、どれも日本語で十分に思えます。  

 こうした言葉遣いについて、河野防衛相が疑問を呈しています。政府にも、見直しの機運があるといいます。手元の英和辞典でオーバーシュートの項目を引いてみましたが、病気に関する意味は載っていません。  

 馴染みのないカタカナ言葉に危機意識を高める効果があるのかもしれませんが、新型コロナウイルスは高齢者の健康が心配な病気です。わかりやすさという観点から、とくに意味があるようには思えません。むしろ、日本語で表現したほうが高齢者にはわかりやすいでしょう。  

 爆発的な患者の増加や都市の封鎖が必要な事態が現実味を帯びてきている今、言葉遣いも〝危機〟を迎えています。立派な日本語があるのに、カタカナ言葉を多用するのは、まさに日本語の危機です。  

 残念ながら、不自然な外来語をインテリぶって得意げに使う気質は開国以来、存在し続けているようです。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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