丸の内からオフィスの変化が始まった

 企業社会では今、創造的に働ける環境がさまざまな角度から追求されています。たとえばオレンジ色は、それを目にした人の心を明るくポジティブにします。また、ほのかな香りは、張り詰めた気持ちを和らげてくれます。  

 ダイキン工業やパナソニックなど15社は、そうした効果を活用して生産性の高いオフィスをつくる試みを東京・丸の内で始めています。その〝実験場〟は、参加企業が共同で運営するシェアオフィスです。  

 この〝実験場〟のミーティングルームでは、議論が活発になるように照明の色や空調が調節されます。声の調子が感情的になってきたらセンサーが感知し、淡い香りが漂い始めます。初対面の他社の人との面会には、BGMを流して緊張をほぐす工夫も施されています。  

 そもそもオフィスとは人と人が接し、啓発し合いながら何かを生みだす場です。言い換えると、自分へのインプットを増やす場所といえるでしょう。この点、照明の調整や香りを漂わせることは、人と人との交わりがより成果をあげるよう促す仕掛けといえます。  

 新型コロナウイルス対策として今、在宅勤務が広がっています。IT(情報技術)の発達で、相手と映像で繋がって実際に対面しているようなやり取りができます。一方、オフィスも人の感覚の研究成果に基づいて進化しつつあります。  

 日本のオフィス街の先駆けとなった丸の内から、また新たな潮流が生まれようとしています。


  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000