AIが手塚治虫の〝作品〟を描いた

 手塚治虫さんの作品「鉄腕アトム」のなかに、「すりかえ頭脳の巻」というものがあります。内容は、こうです。  ある日、アトムと同じ学校に通う男の子が母親に文句を言います。 

「アトムはロボットだからテストの点がいいのは当たり前。アトムのせいで自分が成績トップになれない」  

 それを聞いた母親は密かに〝ロボット屋〟に依頼し、アトムの電子頭脳をすり替えてしまいます。そのため、アトムは簡単な問題さえ解けなくなってしまいます。ヒゲオヤジは、そんなアトムを励まします。 

「アトムやがんばれよ!人間に負けるな」  

 窮地のアトムは、ヒゲオヤジの励ましに必死で勉強します。そして、すり替えられた電子頭脳の学力を自分で向上させていきます。  

 この話、アトムをAIに置き換えると現実味を帯びてきます。つい最近、人工知能が手塚漫画を学習し、物語のプロット原案や登場人物のデザインなどを担当した作品「ぱいどん」が生まれています。  

 主人公の姿やタイトル、色づかいなど人間との共同作業とはいえAIが巨匠の作風を再現しています。事情を知らないと、手塚さんの新作と勘違いしてしまいそうです。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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