原発事故で不通だったJR常磐線が全線開通予定

 かつて花街だった東京都新宿区荒木町に、3年前に亡くなった平塚新太郎さんというギターの流しがいました。

 この道60年の平塚さんは持ち歌が3000曲で、日ごろこう語っていたといいます。 

「ご当地ソングをいかに情感を込めて演奏するか。それが流しの腕なんだ」  

 生前、日本が東日本大震災に見舞われた3か月後、東京電力福島第1原発事故の被災者が身を寄せる同県の避難所を慰問しています。  

 その際、お年寄りが「高原の駅よさようなら」をリクエストするお年寄りが多いのが不思議だったそうです。 

「しばし別れの夜汽車の窓よ いわず語らずに心とこころ・・・」  

 1951年、演歌歌手の小畑実さんが歌ってヒットしています。  

 この歌の作曲者は福島県浪江町出身の佐々木俊一さんで、昭和歌謡の大御所は郷里の誇りでJR常磐線・浪江駅前に歌碑があります。  

 平塚さんは慰問先の避難所で即座にこの歌を爪弾き、喝采を浴びたといいます。3月14日、JR常磐線は原発事故で不通が続く富岡~浪江間の運行が3月4~10日の福島県の双葉、大熊、富岡各町の避難指示解除などを受けて再開し、9年ぶりに全線が開通する予定です。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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