安倍長期政権化で日本政治が〝中国化〟している
一橋大大学院の王雲海教授(比較法学)の著書「賄賂はなぜ中国で死罪なのか」を読むと、米国や日本、中国の「賄賂」についての認識の違いが書かれています。
同著によると、米国では賄賂が自由競争の観点から「経済犯罪」と位置づけられます。日本では、公務員は全体の奉仕者だから清廉潔白であるべきだという〝文化への罪〟に仕分けされます。
一方、中国では共産党こそが公平無私の存在であり、人民の最善の代弁者ととらえます。だから、一党支配の正統性に対する人民の信頼を失墜させる「政治犯罪」の一種だと判断されます。
王教授によると、中国のメディアは死刑執行直前の元公務員の取り乱した様子を詳しく報道し、見せしめにしているのだといいます。
実際、中国では新型肺炎の感染拡大を許した地方政府の失態も共産党のメンツを汚す罪とみなされ、大量の幹部が更迭され、都市封鎖や外出制限が徹底されています。
中国はビッグデータで個人の行動を追跡し、感染の疑いのある人を隔離しています。そんな中国から見ると、日本の新型肺炎への対応が手ぬるいと映るようです。
歴史学者の與那覇潤氏に、「日本政治の『中国化』」という論考があります。行政の意思と民意を調整する議会の機能が働かない状況を「中国化」と名付け、日本もその傾向にあると見ています。
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