学校は社会の危機から子どもを守る城壁である

 20世紀のフランスの哲学者ジャン・シャトーは、学校の役割についてこう唱えています。 

「学校は牢獄ではなく、砦である。子どもは生まれたときから、その周りに城壁を築いて守らなければならない。学校とは、まさにその城壁なのだ」  

 教育論で名高いルソーの思想をもとに、傷つきやすい成長過程の子どもの人格を守ることこそが数ある学校の役目のなかでも最も大事なのだというのです。  

 新型肺炎の感染拡大に見舞われている日本では今、春休みを含めれば数週間の決して短くない期間、学校の「城壁」としての大事な役目は学校の外に委ねられることになります。この間、子ども守り、ウイルスの感染防止にも心を配らなければなりません。低学年の児童のいる共働きの世帯をはじめとして、対応に戸惑っている親は多いことでしょう。  

 ともかく、社会の危機は弱い立場の人に最初におよびがちです。一人親で非正規雇用の人は、仕事を休むと生活そのものが厳しくなります。今こそ、守る壁となるような支援策が必要でしょう。


  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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