寺子屋と学校に共通する役割

 安倍首相は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて全国的な小中高の休校を要請しました。成績判定や卒業式など教育現場の戸惑いも大きいでしょうが、より深刻なのは突然の休校に対応の術のない働く親たちです。  

 看護師や保育士が休むと、困るのは病院や保育所です。感染拡大で後手後手を批判された政府がやっと打ち出した〝先手〟ですが、医療などの社会機能の崩壊まで心配する声が出ています。  

 小中高が休校になっても、外出しにくい子どもたちとっては楽しい思い出にはなりそうにない春の〝大連休〟です。  

 江戸時代、寺子屋に子どもを通わせた親は子守、子育てから解放されるという一面もありました。子どもたちの手習いが目的の寺子屋は、2月の節句が入学日のところが多かったといいます。  

 子どもが寺子屋に通い始めると母親も働きに出る家が多かったらしく、江戸時代にも今と同じように〝カギっ子〟はいたようです。寺子屋は働く親には育児を代わってもらえる場所でもあり、今日の学校を教育という本来の目的だけでは語れないでしょう。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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