「仮設思考」の落とし穴は〝思い込み

  ワインの試飲会で、同じワインなのに異なる価格が設定されていると、高いほうを「いい味」と思う人がいます。コーヒーを飲むにしても、入った店の雰囲気が高級だと、コーヒーの質も高級に感じる人もいるのです。

 これは、頭のなかにある情報の成せる業です。しかも、それが無意識に行われているのです。人の感覚は曖昧で、それが営業では大いに重要となります。  

 人は物事を判断する時、まず仮説を立てます。それを検証することによって、何らかの結論を導き出そうとするのです。こうした思考のプロセスは、「仮説思考」と呼ばれています。

 しかし、そこには陥穽があります。それは仮説や予測を正当化する情報だけを集め、やはり「そうなのだ」と思ってしまう〝陥穽〟です。商品を売るほうは、これをうまく利用します。営業の基本は、仮説思考を意図的に演出することかもしれません。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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