モンブランのイメージが現実に近づいている

  クリを使った洋菓子の「モンブラン」の名前は、アルプス山脈で最高峰のモンブランに由来しています。しかし、その形はともかく色が「白い山」といったイメージに結びつきません。  

 実際、街のスイーツ店やケーキ屋で売られているモンブランはマロンペーストの黄色や茶色が目立ち、雪や氷河に覆われた山を想像しにくいものになっています。  

 1900年に刊行された料理書「グランド・キュイジーヌ」には、モンブランがクリのペーストをドーナツ状に絞りだし、その中心に泡立てた生クリームを添えたお菓子として紹介されています。  これなら「白い山」と胸を張って言えそうですが、時代の経過とともにその山のお菓子は氷河に見立てた「白」よりも、山肌の「茶」のほうが主役になっていったようです。  

 現実の山の方でも、大きな変化が起きています。気候変動の影響で、モンブランの氷河が急速に消失しているといいます。つまり、「白」が消えているのです。  

 フランスのマクロン大統領は最近、麓のシャモニーを視察し、氷河消失に対抗して周辺地域の環境保護対策を強める方針を表明しています。今、入山規制なども検討されているといいます。 

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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