米国の危機的な分断

 2月5日、米トランプ大統領の一般教書演説をめぐる光景は、ニュース報道をテレビで観ていて〝異様〟でした。  

 演説前、民主党のペロシ下院議長が手を差し出し、トランプ大統領に握手を求めています。トランプ大統領は、それを無視して立ち去りました。自分を弾劾裁判にかけた民主党への怒りでしょうが、極めて無礼な態度でした。  

 演説後、今度はペロシ下院議長が持っていた大統領演説のコピーを破り捨てました。演説内容が許せなかったにしても、こちらもまた無礼な態度を取っています。  

 民主主義の基本は、意見の違いは違いとして認め合うことです。しかし、両者の間には民主義を身につけた〝大人の態度〟は見られませんでした。  

 大統領の一般教書演説は、英語で「ステイト・オブ・ユニオン」と呼ばれています。そう呼ばれるのは合衆国憲法と関係があり、大統領は連邦議会に対して「連邦の状況」を報告すると憲法で義務づけられているのです。  

 またユニオンには、結束の意味もあります。先日の一般教書演説の光景は、まさに米国が〝危機的な状況にある〟ことを報告するようなものでした。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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