ゴーンに破壊された街
1990年代、日産の大衆車マーチは同社の村山工場で生産されていました。工場の大半は東京都武蔵村山市にあり、一部が立川市にまたがっていました。当時、工場近くには工場で働く人たちが通う飲食店や理容室など多くの商店がありました。
しかし、1999年、工場の閉鎖が決まり、2004年には完全に姿を消しました。それにともない、かつての商業圏も寂れていきました。広大な跡地には今、大型店舗や公園、スポーツ施設などがあります。
村山工場の閉鎖を決めたのは、昨年末日本からレバノンに逃亡した日産のカルロス・ゴーン前会長です。当時、日産の経営立て直しの一環として工場ごとリストラしたのです。ゴーン前会長の決断は日産再建のためでしたが、多くの社員、派遣社員の人生を変えています。
ゴーン前会長は大金持ちで、世界中に幅広い人脈を持っています。その人脈を活かして軽々と法の支配を突破したり、一国の政府に守ってもらうことが可能です。
今回の逃亡劇は、それを裏づけました。これも、世界中で途方もなく広がっている格差の一端なのでしょう。
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