死の欲動は若者を誘惑する
ギリシャ神話に登場するシジフォスは、巨大な岩を山頂へ押し上げる苦行を神々に科せられた人物です。押し上げた岩は直ぐに谷底に転がり落ち、シジフォスは果てしないこの徒労を繰り返すことになります。
シジフォスがこんな罰を受けたのは、死の神であるタナトスを騙して監禁し、その間、人が死ななくなったからです。
タナトスの役目は寿命の尽きる人の元を訪れ、その髪を一房切って冥界の神に捧げ、死者を連れ去ることでした。タナトスは夜の息子で、眠りの兄弟とされています。
タナトスがよく知られているのは、フロイトの精神分析学で「死の欲動」がそう呼ばれたためです。「死の欲動」は、人生はこれからという若者も誘惑しに現れるから厄介なものです。
0コメント