死の欲動は若者を誘惑する

 ギリシャ神話に登場するシジフォスは、巨大な岩を山頂へ押し上げる苦行を神々に科せられた人物です。押し上げた岩は直ぐに谷底に転がり落ち、シジフォスは果てしないこの徒労を繰り返すことになります。  

 シジフォスがこんな罰を受けたのは、死の神であるタナトスを騙して監禁し、その間、人が死ななくなったからです。  

 タナトスの役目は寿命の尽きる人の元を訪れ、その髪を一房切って冥界の神に捧げ、死者を連れ去ることでした。タナトスは夜の息子で、眠りの兄弟とされています。  

 タナトスがよく知られているのは、フロイトの精神分析学で「死の欲動」がそう呼ばれたためです。「死の欲動」は、人生はこれからという若者も誘惑しに現れるから厄介なものです。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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