中国で日本のアニメが大ヒット

 アニメ大国といえば今では日本を指すのでしょうが、アジア初の長編アニメ映画は中国で製作されています。それはディズニーの「白雪姫」(1937年)の影響を受け、日中戦争さなかの41年に上海で公開された「西遊記 鉄扇公主の巻」です。  

 火焔山の炎を消す芭蕉扇を持つ羅刹女(鉄扇公主)と孫悟空の戦いを描いた作品は翌年、日本で公開され、娯楽に飢えた子供たちから喝采を浴びています。漫画の神様、手塚治虫さんも中学のときこの映画を見て大いに影響を受けたといわれています。  

 NHKの連続テレビ小説「なつぞら」のモデルとされる東映動画が手がけた日本初のカラー長編アニメ映画「白蛇伝」(58年)は、中国の伝説が題材となっています。当初、香港の映画会社が企画を持ち込み、海外市場を意識して製作されたそうです。  

 スタジオジブリの宮崎駿監督は「白蛇伝」に感動してアニメに関心を持ち、東映動画に入ったといいますから日中の縁は深いものです。  

 中国では今、これまで上映の機会がなかった宮崎監督作品の公開が相次いでいます。昨年末、「となりのトトロ」(88年)が初上映されたのに続き、6月からは「千と千尋の神隠し」(2001年)が公開され、ディズニーの新作を上回る人気ぶりだそうです。  

 ジブリ作品の大半は海賊版で流通してきたため、子どもの頃から何度も見たという人も少なくないといます。それが今、映画館の大型スクリーンで本物を鑑賞したいとファンが集まっているのです。  日本のアニメを見て育った世代は目も肥え、中国アニメの水準も急速に高まっているといいます。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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