日本の庶民は〝悪平等思想〟でエリート教育に反対する

 今から22年前、千葉大で高校2年生らを対象に戦後初の飛び入学制度が導入されました。入学試験の小論文では、こんなテーマが出題されています。 

「火星表面の水はなぜ失われたか」

 「ドラえもんに登場するタケコプターは実現可能か」

  確かに、自由な発想や思考力が試されそうな問題です。  

 ところ変わって、ベルギー生まれのローラン・シモンズくん(9歳)が昨年12月、世界最年少で大学を卒業する見込みだと伝えられています。ローランくんは8歳でオランダの名門大に入り、3年の課程を9か月でほぼ終えたそうです。祖父母が心臓の病気で苦しんでいるので今後、人工臓器を開発するのが夢だといいます。  

 千葉大で飛び入学を導入した丸山工作学長は当時、こう述べていました。 

「エリート教育は不平等などと、大学の内外から強い反発を受けた」 

 国や時代により教育制度には様々な考え方があるでしょうが、学びを求める子どもたちの気持ちには応えてあげたいものです。  

 ただ、組織では往々にしてロジカルなモノサシによってクリエーティブな価値が過小評価されて〝抹殺〟されていきます。これは会社の規模によらず、どんな組織でもよく起こっていることです。  ロジックの影響力は強いので、一見とても小さく見える判断が大きな決定を左右することがあります。  

 つまり、〝凡庸〟なロジックがクリエーティブな〝天才〟の価値を殺しているのです。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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