中国の民衆を分断する法家に思想

 秦の始皇帝は、広大な地を治めて「中華統一」を成し遂げました。それが可能になったのは、「法家」の考え方による改革だったとされています。  

 秦は血縁や氏族を重んじた古い制度と異なり、法の支配を徹底しています。次男以降は分家を強いられ、住民は相互監視し、戦場では身分を問わず信賞必罰が貫かれました。地方へは一代限りで官僚を送り、実質は皇帝が支配していました。  

 民を分断し、君主に直接、忠誠を誓う仕組み作りが徹底されたのです。  

 この法家の思想は、歴代王朝を支え続けました。むろん、現代も同様です。億単位の監視カメラや個人の信用度の点数化など法家の理想に対して、現実のテクノロジーが2200年後にようやく追いついてきたともいえるでしょう。  

 過熱する米中の貿易戦争でも、歴史が培った老練な策が秘かに練られているかもしれません。


#中国 #法家

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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