〝間抜けなロバ〟にならないために

 17世紀のフランスの詩人ラ・フォンティーヌが書いた寓話「裁判官と修道士と隠者」に、世界的に有名な次の言葉が出てきます。 

「すべての道はローマに通じる」  

 ラ・フォンティーヌは、イソップ物語を基にした「北風と太陽」や「金の卵を産むめんどり」など寓話詩をたくさん書いています。奥深い辛口の作品が多く、フランスでは子どものころからラ・フォンティーヌの寓話詩を教えられるといいます。たとえば、こんな感じです。  

「負け惜しみを言うのは、何かと愚痴をこぼすよりもいい」 

 「騙すよりも騙されるほうが悪い」 

 「最も強い者の理屈は常に正しい」  

 世の中には理不尽なことも多く、薄汚いことも少なくありません。ヘタをすると、悪質な〝振り込め詐欺〟などで簡単に騙されることもあります。 だからこそ、フランスの子どもはラ・フォンティーヌの寓話詩に「人生訓」を学び、〝間抜けなロバ〟にならないための〝したたかさ〟を幼いころから身に着けていくのです。

 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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