日本企業を〝盗賊のラテン語〟が汚染している
英語で「盗賊のラテン語」というと、よからぬ集団の間だけで通用する〝隠語〟を意味しています。ラテン語は、もともと学術や法律などの専門家の間で用いられていた古代ローマ語です。悪事を働く集団の間で特有の〝隠語〟が使われるのは用心のためで、集団内の結束を固めて集団外との間に距離を置くためでもあります。
2017年10月に発覚した神戸製鋼所の品質検査データ改竄問題では、東京地検と警視庁の捜査で「トクサイ」や「メーキング」といった〝隠語〟が使用されていたことがわかっています。トクサイとは特別採用の略で、仕様書の基準を満たさない製品を顧客の了解を得て出荷する業界用語です。神戸製鋼所は、これを〝隠語〟として顧客に無断で行う不正に用いていました。メーキングは、検査データの不正書き換えを意味する〝隠語〟だといいます。
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