物に宿る霊魂

 さて、物に宿る霊魂――。

 「つくもがみ」は、漢字では「付喪神」あるいは「九十九神」と書きます。昔の人は、人の使う道具が妖怪化したものをこう呼んでいました。道具に宿る霊魂は100年も経って古びると神秘的力を得て人を惑わすとていたのです。  

 だから百鬼夜行の絵には鍋や釜、傘や琵琶などさまざまな道具の化け物が描かれています。物に霊魂があるという考え方は針や刃物など道具を供養する風習にも表れていますが、今日の日本人のロボット好きなどにも受け継がれているのでしょう。

  

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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