「黄色いワーゲン」を目撃すると幸せになれる

 フォルクスワーゲン(VW)の小型車ビートルの愛称は米国では「虫」、フランスでは「テントウムシ」、タイでは「小さなカメ」、イラクでは「カエル」、グアテマラでは「ゴキブリ」だといいます。ちなみに日本では、「カブトムシ」と呼ばれています。  

 そもそもビートルは、ナチス・ドイツの国民車構想に基づいて生産され始めました。今年で、1938年の初代から約80年が経っています。大型のSUVが世界的に幅を利かせるなかでは世界最大規模の生産数を誇った大衆車も時代に合わなくなったか、残念ながら「カブトムシ」の生産は終了を迎えています。  

 1970年代、「黄色いワーゲン」を目撃すると幸せになれるという伝説があったのを覚えています。村上春樹さんの小説「1973年のピンボール」には、あまり調子の良くないワーゲンが出てきます。ナチスはともかくとして、絵になり、味のある車でした。  

 丸みを帯びた車体と愛嬌のある顔つきは、どこか人間っぽさを感じさせました。

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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