死と再生

 日本画家、横山大観の大作「生々流転」は縦55センチ、長さ40メートル超の水墨の絵巻です。深い山裾を覆った霧が集まり、時をかけて流れを作り、やがて大河となり、動物や人の営みをよそに海原へと至る様子が描かれています。  

 作品の終わりのほうでは、水を司る竜が天へ躍り上がっています。大海からの気化で雲が生まれ、それが地を潤すという「死と再生」の思想が表現されているようです。  

 大観は雄大な景観とその移り行きを描きつつ、見る者に人の世や命のあり様感じてほしかったのに違いありません。単色の奥深さに、心奪われます。 

八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

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