泥をかぶる政治家が欠けている
徳川幕府も末期になるにつれて政策の変遷は激しく、財政や金融の不安定さは顕著になりました。長い為政のツケを放置し、その場しのぎで取り繕っていたところへ、黒船の外圧も加わり、国内は大きく揺れました。種々の「派」が対立、多くの尊い命も犠牲になっています。
260年続いた徳川幕府の「パックス・トクガワーナ(徳川の平和)」が終わりを迎えると、明治維新に向かって国内は動いていきます。この激動の時代、維新の節目に自らを肯定する意義を見いだすのもいいけれど、入り乱れる利害の調整や痛みを伴う改革を避けると確実に混乱をきたします。 この点、井伊直弼は心ならずも日米修好通商条約を調印し、国内の混乱の責任を一身に背負いました。
令和の時代を迎えた今、高杉晋作や坂本竜馬を気取る人はいますが、井伊直弼になろうと言う政治家が見当たりません。しかし、今の日本が必要としている人材は、井伊のようにあえて泥をかぶることを辞さない政治家でしょう。
野党も〝革命〟〝維新〟を連呼し、目先だけ変えているようでは革命も維新も遠ざかるばかりでしょう。
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