せちがらい世の中、「おじさん文庫」の話はホッとする

   山形県鶴岡市立羽黒第四小学校に41年間に渡って毎月、図書費を匿名で送り続けてきた男性がいます。寄付の総額は、約220万円。それで購入した図書は、「おじさん文庫」として優に1400冊を超えています。  

 児童たちは毎年、「鶴岡のおじさん」と呼んで、見知らぬ男性に感謝する「おじさん祭り」を開いてきました。だが、児童数24人の同校は2016年春、閉校することになりました。地域の少子化が進み、同校が隣の小学校と統合されることになったからです。  

 その最後の祭りが15年12月に開かれ、おじさん(今野昭治さん)が初めて参加しています。

 「私は子どものころ環境に恵まれず、地域の恩を受けました。その恩返しのつもりで続けてきました」  

 せちがらい世の中、こういう人の話を聞くとホッとします。

  


八丁堀のオッサン

八丁堀に住む、ふつうのオッサン。早稲田大学政治経済学部中退。貿易商社勤務のあと雑誌編集者、『月刊文芸春秋』、『週刊ポスト』記者を経て、現在jジャーナリストとして文字媒体を中心に活動。いろいろな面で同調圧力 にとらわれ、なにかと〝かぶく〟ことが少なくなっているニッポンの風潮が心配。

0コメント

  • 1000 / 1000