〝習近平王朝〟に欠けている2つのもの
さて、〝周王朝〟――。
1年半前、中国共産党大会(5年に1度の割合で開催)で習近平総書記が行った活動報告は、延々3時間半におよびました。報告では、習総書記は「中華民族の偉大な復興」という言葉を何度も使いました。
さらに、現状を「長期に渡る社会主義の初期段階」で「世界最大の発展途上国」と分析してみせました。南シナ海を軍事拠点化し、一帯一路の構想で巨大な経済圏をめざす現状が初期なら、中期や最盛期にはどんな変貌を遂げることでしょう。
なお1921年の第1回大会は、上海のフランス租界で開かれました。しかし、直ぐに官憲に干渉され、近隣の水郷に船を浮かべて党結成を宣言しています。発足してから数年は、帝国主義に対抗するため国民党に合流するかどうかをめぐり激論が交わされました。今やその党の指導で「近代化強国」が目標になり、周囲を脅かす振る舞いも目立っています。
中国で、清などの王朝が長続きした理由は2つあります。1つは知識人の重用で、政治をインテリに任せ民衆は稼業に精を出しました。つまり、役割分担です。もう1つは、国民に国家への信があったことです。
この点、現代の〝習王朝〟には、この2つが欠けている感じです。
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